先日、日本を代表する作家・東野圭吾さんの訃報に接し、とても寂しい気持ちになりました。
東野圭吾さんの作品は数え切れないほどありますが、その中でも私が最も心を揺さぶられた作品が『容疑者Xの献身』です。
初めて読み終えた時、しばらく本を閉じることができませんでした。
最後の数ページは涙が止まらず、「人を愛するとはどういうことなのだろう」と、何度も考えさせられたことを今でも鮮明に覚えています。
「愛とは、相手を支配することではなく、相手がその人の人生を生きられるよう支えることだ。」
この言葉を目にすると、私は真っ先に『容疑者Xの献身』を思い浮かべます。
石神の愛は、自分の想いを押し付けたり、相手を自分のものにしたいと願うものではありませんでした。
ただひたすらに相手の幸せを願い、その人が人生を歩み続けられるよう、自分のすべてを懸けて支えようとする姿でした。
もちろん、その行動の是非についてはさまざまな考え方があります。
しかし、その根底にある「相手を想う気持ち」の深さは、多くの読者の心を動かしたのではないでしょうか。
私はこの作品を読むたびに、「愛とは何か」という問いを投げかけられているような気持ちになります。
婚活は「条件」から始まる
結婚相談所で活動を始めると、まず目にするのはプロフィールです。
年齢、年収、職業、学歴、居住地、趣味…。
限られた情報の中から、お相手を探していくことになります。
人生を共に歩む相手だからこそ、条件を確認することはとても大切です。
安心して結婚生活を送るためにも、条件を考えることは決して悪いことではありません。
ですが、それだけでは見えてこないものがあります。
プロフィールには書かれていない優しさ。
困った時に寄り添ってくれる思いやり。
一緒にいると自然と笑顔になれる安心感。
それらは、お見合いやデートを重ねる中で少しずつ見えてくるものです。
「支えてもらう人」ではなく、「支えたい人」
婚活中は、どうしても
「自分を幸せにしてくれる人」
「理想の条件を満たしている人」
を探してしまいがちです。
それは当然のことです。
だからこそ、最初から「この人を支えよう」と思うことは、簡単ではありません。
ですが、交際を重ね、お互いを知る中で、
「この人が笑顔でいられるよう応援したい。」
「この人が困った時には力になりたい。」
そんな気持ちが芽生えた時、そのご縁は大きく変わります。
結婚とは、どちらか一方が幸せにしてもらうものではなく、お互いが支え合いながら幸せを育てていくものだからです。
共に人生を歩むということ
人生には楽しいことばかりではありません。
仕事のこと、子育て、親御さんの介護、病気…。
誰にでも思いがけない出来事は訪れます。
そんな時、「条件」だけでは乗り越えられない場面があります。
だからこそ必要なのは、
「一緒に乗り越えよう。」
そう思える相手の存在です。
相手を変えようとするのではなく、その人らしい人生を歩めるように寄り添い、支え合う。
私は、それこそが夫婦の本当の姿ではないかと思います。
東野圭吾さんが教えてくれたもの
東野圭吾さんの作品には、単なるミステリーでは終わらない、人間の心の奥深さがあります。
人を信じること。
人を赦すこと。
そして、人を愛すること。
その一つひとつを、物語を通して私たちに問いかけてくださいました。
婚活カウンセラーとして日々たくさんのご縁を見守る中で、私も改めて感じます。
条件は、ご縁の入口です。
でも、幸せな結婚生活を築くのは、「この人と共に歩みたい」「この人の人生を応援したい」という想いです。
それは、お互いが同じ気持ちでいるからこそ、何十年先も続く夫婦になれるのだと思います。
カウンセラーからのメッセージ
東野圭吾さんは、多くの作品を通して、人の心の複雑さや温かさ、そして愛の形を私たちに届けてくださいました。
私もこれから、一組でも多くの会員様が「条件の先にある幸せ」に出会えるよう、ご縁をつないでいきたいと思っています。
『容疑者Xの献身』を読み終えたあの日に流した涙は、今でも私の中で「本当の愛とは何か」を考え続けるきっかけになっています。
東野圭吾さんが残してくださった物語は、これからも多くの人の心の中で生き続けることでしょう。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。

